小腹が空いた時や休憩中のおやつ、ストレスが溜まった時や気分転換に、どんな時にも手軽に食べられるスナック菓子。スーパーやコンビニなどにもさまざまなスナック菓子製品が並んでいますが、それぞれの違いをパッとひと目で比較するために、ポジショニングマップを使った分析を行いました。
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この記事では、レポートに掲載されているスナック菓子7製品のポジショニングマップから、どのようなことがわかるのか?という考察を紹介していきたいと思います。
分析の対象となっているのは、スーパーやコンビニなどで売れ筋のスナック菓子7種類です。POSデータとアンケート調査から利用者の多い製品を抽出しました。
- エアリアル 濃厚チェダーチーズ味(「エアリアル」と略称記載)
- 堅あげポテト うすしお味(「堅あげポテト」と略称記載)
- かっぱえびせん
- カルビー ポテトチップス うすしお味(「カルビーポテトチップス」と略称記載)
- 湖池屋 ポテトチップス のり塩(「湖池屋ポテトチップス」と略称記載)
- じゃがりこ サラダ(「じゃがりこ」と略称記載)
- チップスター S うすしお(「チップスター」と略称記載)
分析にあたってはアンケート調査を行い、ユーザーのリアルな声をベースに作成しています。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<スナック菓子編>|調査実施:2023年12月、全72ページ
スナック菓子のユーザーはどんな人?
スナック菓子はどのような人が利用しているのでしょうか?
下記はポジショニング分析を行う際に実施したアンケート調査の結果抜粋です。青色の横棒グラフが今回の分析対象7製品のユーザー※1で、灰色の横棒グラフが全国の人口割合です。
グラフを見ると、スナック菓子のユーザーは女性が53.4%と男性よりも若干多く、年代別では50〜70代が全体の6割近くを占めています。これらの割合は全国人口の割合よりやや多くなっていることから、スナック菓子のユーザーは女性が多めで年齢層が高めであることがわかります。
※1:”購入者”をユーザーとしており、実際に”食べている人”とは異なります。
※2:スクリーニング調査で直近1年間に分析対象製品を購入したと回答した人
※3:人口推計2022年10月より20~70代の人口数から割合を算出
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<スナック菓子編>|調査実施:2023年12月、全72ページ
スナック菓子のユーザーとポジショニングマップ例
スナック菓子のユーザーは、製品別で見るとどのような特色があるのでしょうか?アンケート調査の結果を使って、ポジショニングマップを作成しました。
縦軸が各スナック菓子ユーザーの「平均年齢」、横軸が「性別」割合を示します。マップの上側に行けば行くほど「年齢層」が高くなり、右側に行けばいくほど「女性」の割合が多くなります。
なお、各製品を示す円には上から順にA〜Gを割り当てています。
それでは、ポジショニングマップを概観してみましょう。
7つの製品が、左上側と右下側に寄っている様子が見られます。
「男性」と「中高年層」の割合が多いスナック菓子3製品
左上にある3製品(A,B,C)は、相対的に「男性」の割合が多く、かつ「年齢層」が高めです(「男性・中高年層」グループ)。
最も上側に位置しているのは、製品A「かっぱえびせん」です。男性の割合がわずかに多く、ユーザーの平均年齢は59.6歳と全体の平均値より7歳以上高くなっていました。
「女性」と「若年層」の割合が多いスナック菓子4製品
一方、右下にある4製品(D,E,F,G)は、相対的に「女性」の割合が多く、かつ「年齢層」が平均より若いです(「女性・若年層」グループ)。
最も下側に位置しているのは、製品G「じゃがりこ」です。「じゃがりこ」のユーザーは女性の割合が6割近くあり、ユーザーの平均年齢は46.8歳と全体の平均値より6歳以上低くなっています。
「男性・中高年層」vs.「女性・若年層」
「男性・中高年層」グループと「女性・若年層」グループの製品数を比較してみると、前者が3製品、後者が4製品で、「女性・若年層」の方がわずかに優勢です。
ただし、円のサイズ(=人数シェアを表す)も加味して人数シェア比率で算出すると「男性・中高年層」の製品が全体の49.1%、「女性・若年層」の製品が全体の50.9%と、差があまり大きくないので、両者はほぼ同じくらいのマーケットサイズであると言えます。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<スナック菓子編>|調査実施:2023年12月、全72ページ
スナック菓子のユーザーが二手に分かれている理由(考察)
なぜ、スナック菓子のユーザーが「男性・中高年層」と「女性・若年層」に分かれているのでしょうか?限られた情報からではありますが、少し掘り下げて考えてみました。
【考察1】「男性・中高年層」に古くからある製品に親しみを感じる人が多い。
分析対象7製品の発売年を調べてみました。「男性・中高年層」グループの3製品(A,B,C)の発売年はいずれも1960〜70年代で、一方「女性・若年層」グループの4製品(D,E,F,G)は1990〜2000年代に発売されているものが多いです。
またアンケート調査では、「男性・中高年層」グループの3製品(A,B,C)には、「馴染みがある、昔からある」というイメージを持つユーザーが他製品よりも多いです。
このことから、スナック菓子のユーザーには、昔ながらの製品を愛用している層があり、男性もしくは中高年にそうしたユーザーが多いのではないか、と考えられます。
【考察2】「女性・若年層」は食感がハッキリしているものが好き。
「男性・中高年層」「女性・若年層」それぞれのグループの製品に共通する特長として、前者の3製品(A,B,C)は「食感」よりも「味の特長」の評価が高く、後者の4製品(D,E,F,G)は「味の特長」よりも「食感」が高く評価されているものが多い、ということが挙げられます。
このことから、「食感」に対する好みが、男女間もしくは年代別で異なる傾向にある、と考えられます。特に「女性・若年層」グループの4製品(D,E,F,G)では、食感の中でも“固め”の食感や“歯ごたえ感”などが多くコメントされており、女性もしくは若年層のユーザーには食感がハッキリしているものを好む人が多い、と言えそうです。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<スナック菓子編>|調査実施:2023年12月、全72ページ
いかがでしたでしょうか。レポート本誌では、上記以外にもさまざまな視点で作成したポジショニングマップを紹介しています。また、各製品の特長まとめや調査結果のデータなども掲載していますので、より詳細を知りたい方は、ぜひレポートを購入いただき、ご活用ください。
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記事内容を引用する場合は、出典(“日本ポジショニング・マップ研究所調べ”やURLなど)を記載いただきますようお願い申し上げます。