おやつや間食、疲れている時などに口にするチョコレート菓子。スーパーやコンビニなどにはさまざまな商品が並んでいますが、
「何がどう違うのかをパッとひと目で比較できないだろうか?」
そのような疑問から、ポジショニングマップを使った分析を行ってみました。なお、分析にあたってはアンケート調査を実施し、ユーザー視点かつ定量的に行うようにしています。
これから数回に分かれますが、主なチョコレート菓子の特長比較とポジショニングマップの例を、調査データを交えながら解説していきたいと思います。
※ 出典:「ポジショニング分析レポート<チョコレート菓子編>」2021年3月
第1回は「分析概要について」です。本論に入る前に分析の前提事項をまとめたものになりますが、ざっくり目を通しておくと、第2回以降が理解しやすくなると思います。ぜひご覧ください。
1. 対象商品
分析対象はスーパーやコンビニ等の店頭でよく見かけるチョコレート菓子10種類です。POSデータと自社アンケート調査により、ユーザー数の多い商品を選びました。なお、比較しやすいようにチョコレート菓子の種類を、“チョコレートにビスケットやナッツ等チョコ以外の素材と組合せた商品”に限定しています。また、板・粒状の商品および輸入品は対象から除いています。
商品名(50音順)
- アーモンドチョコレート 88g
- アルフォート ミニ チョコレート 12個
- キットカットミニ 15枚
- キットカットミニ オトナの甘さ 14枚
- コアラのマーチ チョコ 50g
- たけのこの里 70g
- トッポ 2袋
- パイの実 シェアパック 133g
- ポッキー 極細 2袋
- マカダミア チョコレート 9粒
なお、上記の商品名は以降、次の略称で記載いたします。
「アーモンド」「アルフォート」「キットカット」「キット大人」「コアラ」「たけのこ」「トッポ」「パイの実」「ポッキー極細」「マカダミア」
※ 商品名や数量は調査時点(2021年3月)のものです。
※参考資料:e-お菓子ねっと「菓子業界商品分類基準書」、ウレコン「チョコレート」市場シェアのランキング(全国、集計期間:2021年01月01日~2021年03月31日)
2. ポジショニング分析のフロー
ポジショニング分析を行うにあたって、事前にユーザーアンケート調査を行って情報を収集しました。調査は主に自由記述ベースで行い、集めた回答テキストを独自の仕分けルールで分類・集計してデータベース化し、これに基づいてポジショニングマップの軸や商品の配置を決めていきます。
ポジショニングマップ案は複数種類(100種類近くになることもあります)作成します。これらを目視で比較・確認しながら、「見やすさ」「わかりやすさ」を基準に絞り込み、レポートにまとめています。
3. アンケート調査概要
調査対象は「過去1年に対象商品を購入したことのある人」です。主に商品の魅力や使用状況について尋ねています。
[調査対象] スクリーニング調査: 20〜70代男女 2,000名、首都圏居住
本調査:チョコレート菓子10商品の購入経験者 合計519名
[調査方法] インターネット調査
[調査時期] 2021年 3月
[調査項目] 購入したチョコレート菓子についての好意・魅力点、使用状況など
4. 注意点
分析内容については、下記の注意点をご参照ください。
- 掲載しているポジショニングマップはあくまでも例であり、“正解”や不変の“事実”を示しているものではありません。
- 作業の効率上、アンケート調査では必要最小限のデータのみ収集するようにしています。そのため、調査結果は統計的優位差を示すものではなく、傾向を知るための参考値であることをご了承ください。
- ポジショニングマップには、“現状”を表すマップ(「パーセプションマップ」とも呼ばれます)と“将来”の戦略方向性を示すマップの2種類ありますが、当レポートでは前者の“現状”を表すものを掲載しています。将来の戦略方向性については、現状を参考にしながら、ぜひ各々で議論なさってください。
以上が「第1回:分析概要」です。次回の第2回では、アンケート調査結果のダイジェストとして、「重視されている特長や効果」についてまとめたいと思います。
ポジショニング分析についてさらに詳しく知りたい場合は、「ポジショニング分析レポート」(有料)をご利用ください。レポートには全10種類以上のポジショニングマップ例が掲載されており、アンケート調査の詳細データも入手可能です。販売ページは以下のリンクからご覧いただけます。