小腹が空いた時や休憩中のおやつ、ストレスが溜まった時や気分転換に、どんな時にも手軽に食べられるスナック菓子。スーパーやコンビニなどにもさまざまなスナック菓子製品が並んでいますが、それぞれの違いをパッとひと目で比較するために、ポジショニングマップを使った分析を行いました。
分析レポートはこちら↓ ※外部サイト(販売用ページ)が開きます
この記事では、上記のレポートに掲載されているスナック菓子7製品のポジショニングマップから、どのようなことがわかるのか?という考察を紹介していきたいと思います。
分析の対象となっているのは、スーパーやコンビニなどで売れ筋のスナック菓子7種類です。POSデータとアンケート調査から利用者の多い製品を抽出しました。
- エアリアル 濃厚チェダーチーズ味(「エアリアル」と略称記載)
- 堅あげポテト うすしお味(「堅あげポテト」と略称記載)
- かっぱえびせん
- カルビー ポテトチップス うすしお味(「カルビーポテトチップス」と略称記載)
- 湖池屋 ポテトチップス のり塩(「湖池屋ポテトチップス」と略称記載)
- じゃがりこ サラダ(「じゃがりこ」と略称記載)
- チップスター S うすしお(「チップスター」と略称記載)
分析にあたってはアンケート調査を行い、ユーザーのリアルな声をベースに作成しています。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<スナック菓子編>|調査実施:2023年12月、全72ページ
スナック菓子にはどんな”便益”※がある?
スナック菓子を消費する際、私たちはさまざまなことを感じ取ります。製品そのものの「味」や「食感」はもちろんのこと、「美味しい」かどうかなどの目に見えない“便益”もあります。
ユーザーアンケートでもさまざまな“便益”がコメントされました。最も多かったのは「美味しい」ですが、「使い勝手が良い」や「価格の手頃感」も多くのユーザーが挙げた項目です。
「使い勝手が良い」と「価格の手頃感」は、どちらもスナック菓子に欠かせない重要な要素ですが、詳しく分析してみると、製品によってばらつきが見られました。
※レポート本誌(有料)では、“便益”ではなく“ベネフィット等”(製品を使用した際に感じられるメリット感・イメージなど)と記載しています。
スナック菓子の“便益”とポジショニングマップ例
スナック菓子の“便益”は、製品によってどのように異なるのでしょうか?アンケート調査の結果を使って、ポジショニングマップを作成しました。
縦軸では、スナック菓子の「使い勝手が良い」という評価と「価格の手頃感」に対する評価の割合を対比しています。マップの上側に行けばいくほど「価格の手頃感」よりも「使い勝手が良い」という評価が高く、下側に行けば行くほど「使い勝手が良い」よりも「価格の手頃感」の評価の方が高くなっています。
なお、各製品を示す円には上から順にA〜Gを割り当てています。
それでは、ポジショニングマップを概観してみましょう。
「価格の手頃感」が優位なスナック菓子 5製品
多くの製品が下側に寄っているのがわかります。
下側に寄っているのが5製品(C,D,E,F,G)。これらは「価格の手頃感」を評価する割合が「使い勝手が良い」を評価する割合よりも高くなっています(「価格の手頃感」グループ)。
このグループで最も下側に位置しているのは、製品G「かっぱえびせん」です。“安い” “手頃な値段”などのコメントが7製品の中で最も多く見られました。
「使い勝手が良い」が優位なスナック菓子2製品
一方、上側に寄っている製品もあります。2製品(A,B)あって、これらは「使い勝手が良い」を評価する割合が「価格の手頃感」よりも多くなっています(「使い勝手が良い」グループ)。
最も上側に位置しているのは、製品A「チップスター」です。「チップスター」は“中身が壊れない” “取り出しやすい”などが多くコメントされており、7製品の中でも断トツで「使い勝手が良い」の評価が高くなっています。
「価格の手頃感」vs.「使い勝手が良い」
「価格の手頃感」グループと「使い勝手が良い」グループの製品数は、前者が5製品、後者が2製品で、「価格の手頃感」グループの方が優勢です。
円のサイズ(=人数シェアを表す)も加味して人数シェア比率で算出してみても、「価格の手頃感」グループが全体の64.9%、「使い勝手が良い」グループが全体の35.1%となっており、「価格の手頃感」グループが主流であると言えます。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<スナック菓子編>|調査実施:2023年12月、全72ページ。
「価格」か?それとも「使い勝手」か?
ポジショニングマップからわかった「価格の手頃感」と「使い勝手が良い」の分類結果は、どのように活用できるでしょうか?さまざまな解釈があり得ますが、いくつか考えられるものを挙げてみました。
ここでは、製品の作り手目線(=メーカー側)に立って考えてみたいと思います。
【仮説1】「価格の手頃感」に注力。主流の市場でパイをとりに行く。
多くのユーザーが評価している「価格の手頃感」に注目します。他の製品よりも、より価格の手頃さを感じられるようにすれば、より多くのチャンスが得られそうです。単に安くするだけでなく、サイズや量でお得感を演出したりなど、やり方はいろいろと考えられるように思います。
【仮説2】「使い勝手が良い」に注力。主流とは異なる方向性で差別化を図る。
主流に反して「使い勝手の良さ」に注目します。主流派に比べてマーケットサイズは小さいですが、競合製品が少ないため、他と差別化できるチャンスが多くあると思われます。製品Bが気になりますが(円のサイズが大きい=シェアが大きい)、これと被らないように、独自の「使い勝手の良さ」を出せれば、これまでとは異なる新しい商品として売り出すことができそうです。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<スナック菓子編>|調査実施:2023年12月、全72ページ。
いかがでしたでしょうか。レポート本誌では、上記以外にもさまざまな視点で作成したポジショニングマップを紹介しています。また、各製品の特長まとめや調査結果のデータなども掲載していますので、より詳細を知りたい方は、ぜひレポートを購入いただき、ご活用ください。
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記事内容を引用する場合は、出典(“日本ポジショニング・マップ研究所調べ”やURLなど)を記載いただきますようお願い申し上げます。