せんべい(米菓)のポジショニング分析 解説 第1回:食べ応え派 vs 使い勝手派でせんべい市場が二分化

本記事では、2023年11月に公開した「せんべい(米菓)のポジショニング分析レポート」より、分析結果のダイジェストをご紹介します。(2024.2.26 内容を見直し更新しました)

分析レポートはこちら↓ 外部サイト(販売用ページ)が開きます

せんべい(米菓)市場の現状について

日本の伝統的なお菓子として長らく愛されてきた「せんべい(米菓)」。総務省の家計調査によれば、2023年8月のせんべいの家計消費支出は553円で、2021年以降緩やかな増加傾向を示しています。健康志向の高まりにより、ヘルシーなスナックとして再評価される機会が増えてきているのかもしれません。

データ元:GD Freak!(総務省 家計調査を基にGD Freak!が作成)

ポジショニング分析レポートの目的

ポジショニングマップは「製品(モノやサービス)の競合他社との違いを直感的に捉えやすく表現した図」です。多様なせんべい製品が市場に存在する中、ユーザー視点からの分析を通じてせんべい(米菓)のタイプをマップに描くことで、製造者や販売者にとっては今後の製品開発や販売戦略に有益な情報を得ることができます。同時に、消費者にとっても購入の際の参考となります。

分析・レポート作成プロセス

レポートでは、スーパーやコンビニで販売されている7種類のせんべい(米菓)製品についてユーザー調査を実施し、消費者の声からポジショニングマップに必要な要素を抽出して作図しました。調査対象の製品は以下の通りです(50音順)。

  • 岩塚の黒豆せんべい
  • 歌舞伎揚
  • 亀田の柿の種
  • 亀田の柿の種 わさび
  • ばかうけ 青のりしょうゆ味
  • ハッピーターン
  • 雪の宿 サラダ

ユーザー調査は20〜70代の男女7,000名から対象製品の購入経験者合計700名を抽出し、製品の使用状況などについてのアンケートに回答してもらいました。

せんべい(米菓)のポジショニングマップ例

以下は、ユーザーが評価するせんべいの魅力点を基に作成したポジショニングマップの一例です。
なお、各製品を示す円には上から順にA〜Gを割り当てています。

横軸では、せんべい(米菓)を使用した際に感じられるメリット感等(ベネフィット)のうち、「使い勝手が良い」に対する評価と「食べ応えがある」に対する評価の割合を対比しています。

マップの右側に行けばいくほど「使い勝手」よりも「食べ応え」に対する評価が高く、左側に行けば行くほど「食べ応え」よりも「使い勝手」の評価の方が高くなっています。

マップの中央よりやや左側、下端の目盛でいうとちょうど「0.00」あたりにオレンジの縦点線を引いてみます。すると、縦点線を境として、7つの製品を二手に分けることができます。

  • 「使い勝手派」(マップ左側):製品A、E、F
  • 「食べ応え派」(マップ右側):製品B、C、D、G

詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<せんべい(米菓)菓子編>|調査実施:2023年9月、全72ページ

「使い勝手派」 vs.「食べ応え派」

「使い勝手派」グループと「食べ応え派」グループの製品数を比較してみると、前者が3製品、後者が4製品で、「食べ応え派」の方が多くなっています。

一方、円のサイズ(=人数シェアを表す)も加味して人数シェア比率を算出すると、「使い勝手派」の製品が26.4%、「食べ応え派」の製品が31.6%となっており、「食べ応え派」がやや優勢ではあるものの、両者はほぼ同じぐらいのマーケットサイズであると言ってもよさそうです。

残りの42.0%(26.4%と31.6%以外)は分析対象外の製品シェア

同じせんべいでも「使い勝手」の評価の方が高い製品と「食べ応え」の評価の方が高い製品とにわかれており、両者は同じくらいのマーケットシェアであることから、「使い勝手」と「食べ応え」はどちらも消費者がせんべい(米菓)製品を選ぶ際の重要な要素であると考えられます。

詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<せんべい(米菓)菓子編>|調査実施:2023年9月、全72ページ


いかがでしたでしょうか。レポート本誌では、上記以外にもさまざまな視点で作成したポジショニングマップを紹介しています。また、各製品の特長まとめや調査結果のデータなども掲載していますので、より詳細を知りたい方は、ぜひレポートを購入いただき、ご活用ください。

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記事内容を引用する場合は、出典(“日本ポジショニング・マップ研究所調べ”やURLなど)を記載いただきますようお願い申し上げます。

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