お皿を洗う、鍋を洗うなど、日ごろ頻繁に使う食器用洗剤だからこそ、“おすすめ”や“おしゃれ”なものなど、気になる点が意外とあるものです。スーパーやドラッグストアなどには食器用洗剤がズラっと並んでいますが
「何がどう違うのかをパッとひと目で比較できないだろうか?」
そのような疑問から、ポジショニングマップを使った分析を行いました。なお、分析にあたってはアンケート調査を実施し、ユーザー視点かつ定量的に行うようにしています。
ここから数回に分かれますが、主な食器用洗剤の特長比較とポジショニングマップの例を、調査データを交えて解説していきたいと思います。
※ 出典:「ポジショニング分析レポート<食器用洗剤編>」2022年6月調べ
第1回は「分析概要」です。本論に入る前に分析の前提事項などをまとめたものになります。ざっくり目を通しておくと、第2回以降が理解しやすくなると思いますので、ぜひご覧ください。
1. 対象製品
分析対象はドラッグストアなどでよく見かける食器用洗剤7種類です。POSデータと自社アンケート調査により、ユーザー数の多い製品を選びました。なお、比較しやすくするために、“食洗機”用の洗剤と“石鹸”製品は対象から除いています。
製品名(50音順)
- キュキュット
- キュキュット CLEAR泡スプレー
- キュキュット クリア除菌
- ジョイ コンパクト
- 除菌ジョイ コンパクト
- チャーミーMagica 除菌+
- ヤシノミ洗剤
なお、上記の製品名は以降、次の略称で記載いたします。
「キュキュット」「キュキュット泡」「キュキュット除菌」「ジョイ」「除菌ジョイ」「チャーミーM除菌」「ヤシノミ」
※ 製品名は調査時点(2022年6月)のものです。
※ 参考資料:「身の回りの製品に含まれる化学物質シリーズ4 家庭用洗剤」独立行政法人 製品評価技術基盤機構化学物質管理センター、ウレコン「台所用洗剤」市場シェアのランキング(集計期間:2022年03月01日~2022年05月31日)
2. ポジショニング分析のフロー
ポジショニング分析を行うにあたっては、事前にユーザーアンケート調査を行って情報を収集しまし た。調査は主に自由記述ベースで行い、集めた回答テキストを独自の仕分けルールで分類・集計してデータベース化し、データに基づいてポジショニングマップの軸や商品の配置を決めていきます。
ポジショニングマップ案は複数種類(100種類近くになることもあります)作成します。最終的にはこれらを目視で比較・確認しながら、「見やすさ」「わかりやすさ」を基準に絞り込み、レポートにまとめます。
3. アンケート調査概要
調査対象は“対象製品を過去1年に購入したことのある人”です。主に製品の魅力点や使用状況などについて尋ねています。
[調査対象] スクリーニング調査: 20〜70代男女 5,000名、首都圏居住
本調査:食器用洗剤7製品の購入経験者 合計653名
[調査方法] インターネット調査
[調査時期] 2022年 6月
[調査項目] 購入した食器用洗剤についての好意・魅力点、使用状況など
4. 注意点
分析内容については、下記の注意点をご参照ください。
- 掲載しているポジショニングマップはあくまでも例であり、“正解”や“決定事項”を示すものではありません。
- 作業の効率上、アンケート調査では必要最小限のデータのみ収集するようにしています。そのた め、調査結果は統計的優位差を示すものではなく、傾向を知るための参考値であることをご了承 ください。
- ポジショニングマップには、“現状”を表すマップ(「パーセプションマップ」とも呼ばれます)と、“将来”の戦略方向性を示すマップの2種類ありますが、当レポートでは前者の“現状”を表すものを掲載しています。将来の戦略方向性については、“現状”のマップを参考にしながら、ぜひ各々で議論なさってください。
「第1回:分析概要」は以上です。次回の第2回では、アンケート調査結果のダイジェストとして、「ユーザーが重視している機能・効果」についてまとめたいと思います。
ポジショニング分析についてさらに詳しく知りたい場合は、「ポジショニング分析レポート」(有料)をご利用ください。レポートには全10種類以上のポジショニングマップ例が掲載されており、アンケート調査の詳細データも入手可能です。販売ページは以下のリンクからご覧いただけます。