お皿を洗う、鍋を洗うなど、日ごろ頻繁に使う食器用洗剤だからこそ、“おすすめ”や“おしゃれ”なものなど、気になる点が意外とあるものです。スーパーやドラッグストアなどには食器用洗剤がズラっと並んでいますが「何がどう違うのかをパッとひと目で比較できないだろうか?」という疑問から、ポジショニングマップを使った分析を行いました。
第2回は、分析にあたって事前に実施したアンケート調査の結果ダイジェストです。ユーザーは一体、食器用洗剤のどのような機能や効果を評価しているのでしょうか?重視されている要素についてまとめました。
第1回:分析概要について
第2回:ユーザーが重視している機能・効果 ☜今回
第3回:ポジショニングマップの例(1)と表示項目の説明
第4回:食器用洗剤のポジショングループについて
第5回:ポジショニングマップ例(2)と考察
※ 出典:「ポジショニング分析レポート<食器用洗剤編>」2022年6月
1. 食器用洗剤の好意/魅力点ランキング
日ごろ何気なく使っている食器用洗剤。一体どのような特長が評価されているのでしょうか?
以下は分析対象となっている食器用洗剤について、ユーザーに「気に入っている点」「良いと思っている点」などをコメントしてもらったものです。回答内容は独自の仕分けルールに基づいて分類・整理し、ランキング形式にまとめました。(アンケート調査の前提条件等については「第1回:分析概要」をご覧ください)。

第1〜2位:「汚れが落ちる」「油汚れが落ちる」
最も多かったのが「汚れが落ちる」と「油汚れが落ちる」です。
「汚れが落ちる」と「油汚れが落ちる」の違いは、コメントで「汚れ」と言っているか「油汚れ」と言っているかどうかなので、厳密にはさほど違いはないかもしれません(人によっては「汚れ」と言って「油汚れ」を指していることもあります)。
いずれにせよ、「汚れが落ちる」または「油汚れが落ちる」と答えた人を合算すると半数近くになります(一部重複あり)。食器用洗剤がそもそも目的としている機能/効果でもあり、ユーザーが最優先で重視していることがわかります。
第3位:「除菌できる」
3位に入ったのは「除菌できる」です。シンプルに「除菌効果がある」とするもののほか、「まな板やふきん(の除菌)」や「食中毒」を気にするコメントもあります。「ウイルス(の除菌)」についても少数ですが見受けられました。
第4〜5位:「香り(+)」「泡切れ」
第4位の「香り(+)」は、香りや匂いが「良い/好き」というものです。また、「(フルーツや緑茶などの)香りが好き」「爽やかな香り」など、具体的な香りの好みに対する記述も見られました。
ちなみに、「香り(+)」の「(+)」は香りに対する積極的な評価を示し、「香りがキツくない、無香料」などの評価と分けています。
第5位の「泡切れ」は、泡切れが「良い」「早い」とするものです。
2. 食器用洗剤で評価されている機能・効果の傾向
「製品スペック」よりも「効果」が優先して考えられている傾向が見られます。
上記のTOP5項目のうち第1〜3位は、洗剤を使用した際に得られる「効果」に関する要素で、第4〜5位は、製品そのものの「スペック」に関わる要素となっています。
第1〜3位:「汚れが落ちる」「油汚れが落ちる」「除菌できる」・・・「効果」に関する要素
第4〜5位:「香り(+)」「泡切れ」・・・「製品スペック」に関する要素
また、第4位〜5位の「香り(+)」「泡切れ」は、食器洗いをしている際に感じられる「使用感」に関係しています。
食器用洗剤は「効果 」→「使用感」の順で評価されている傾向がうかがえます。
3. まとめ
以上が、ユーザーが評価する食器用洗剤の機能・効果です。
とにもかくにもまずは「汚れ/油汚れが落ちること」が最重要、という直球的な結果でした。第3位の「除菌」は、ここ最近の衛生意識の高まりなどを考えると、今後さらに伸びていく可能性があるように思いました。
なお、上記のランキングは製品別に見ると順位が変わりますので、全体の傾向と製品ごとの特長をつけ合わせれば、さらに深掘りした傾向を知ることができます。
「第2回:ユーザーが重視している機能・効果」は以上となります。次回の第3回では、これらのユーザー調査結果を活用して作成したポジショニングマップの例を紹介したいと思います。
ポジショニング分析についてさらに詳しく知りたい場合は、「ポジショニング分析レポート」(有料)をご利用ください。レポートには全10種類以上のポジショニングマップ例が掲載されており、アンケート調査の詳細データも入手可能です。販売ページは以下↓のリンクからご覧いただけます。