おやつや間食、疲れている時などに口にするチョコレート菓子。スーパーやコンビニなどにはさまざまな商品が並んでいますが、それぞれの「違いをパッと一目で比較する」ために、ポジショニングマップを使った分析を行いました。
前回(第3回)は、ポジショニングマップの一例と大まかなマップの見方(表示項目)について紹介しました。今回(第4回)は、チョコレート菓子10商品のポジショングループについて考察してみたいと思います。
※ 出典:「ポジショニング分析レポート<チョコレート菓子編>」調査実施:2021年3月、全90ページ
1. チョコレート菓子のポジショニングマップ例(1)とグループ分け
下図は、第3回で紹介したチョコレート菓子のポジショニングマップ例(1)に、各商品の位置付けをグループ分けしてオレンジの円点線で示したものです。各商品を示す円には、上から順にA〜J(黒字)を割り当てています。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。「ポジショニング分析レポート<チョコレート菓子編> 」調査実施:2021年3月、全90ページ
2. チョコレート菓子のポジションググループについて
分析対象のチョコレート菓子10商品を“商品特長とユーザー性別”の違いで分類すると、A〜D(オレンジ色の文字)の4つのグループに分けることができます。
グループA:「味覚的特長」×「男性」
「味覚的特長(「味」や「食感」「香り」など味覚に関わる特長)」の評価が高く、かつ、「男性」ユーザーの割合が多いタイプです。
「商品J(茶色の円)」は“食感”や”香ばしさ”についてのコメントが多く見受けられ、男性ユーザーの割合が10商品の中で最も高く、唯一、女性ユーザーの割合を上回りました。
グループB:「味覚的特長」優位
「味覚的特長(「味」や「食感」「香り」など味覚に関わる特長)」の評価が多いタイプです。グループAとは異なり、ユーザーの男女比率は平均的(やや女性が多い)です。
「商品G(ブルーの円)」は”甘さ控えめ” ”ほろ苦い“などの「味」に対するコメントが非常に多く、10商品の中で最も高い評価でした。
グループC:「外形的特長」×「女性」
「外形的特長(「サイズ」や「数量」「形状」など、外から見える特長)」の評価が高く、かつ、「女性」ユーザーの割合が多いグループです。
「商品A(グリーンの円)」は、“細い”や“本数が多い”などの「形状」や「数量」に対するコメントが多く、「商品C(黄緑色の円)」は“小分けになっている”や“ひと袋にたくさん入っている”などの「パッケージ包装」や「数量」に対するコメントが多く見られました。両商品とも、女性ユーザーの割合が平均より多くなっています。
グループD:「バランス型」
オレンジの十字線の中心点(縦線と横線が交差する地点)に近接した位置にある商品グループです。縦軸のユーザー男女比も、横軸の「外形的特長」と「味覚的特長」に対する評価の割合も、どちらも10商品の平均値に近い位置付けです。
「商品E(紫色の円)」は「味」と「サイズ」「パッケージデザイン」の評価が高く、「商品H(赤色の円)」は「食感」と「パッケージ包装」に対する評価が同程度に高く評価されており、結果として中央よりの位置になっています。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。「ポジショニング分析レポート<チョコレート菓子編>」調査実施:2021年3月、全90ページ
まとめ
以上が、チョコレート菓子のポジショニングマップ例に見られる4つのポジショングループです。同じチョコレート菓子でもそれぞれの特色があることが、視覚的にもつかめたのではないでしょうか?
ポジショニングマップに現れた位置付けを参考にすることで、商品の宣伝方法や製品改良の方向性を探して見たり、あるいは、消費者の立場でお買い物のヒントを得たりすることができます。
第4回は以上になります。次回の第5回は、もう一つ別の視点で作成したポジショニングマップを紹介したいと思います。
ポジショニング分析についてさらに詳しく知りたい場合は、「ポジショニング分析レポート」(有料)をご利用ください。レポートには20種類以上のポジショニングマップ例が掲載されており、アンケート調査の詳細データも入手可能です。販売ページは以下のリンクからご覧いただけます。