お風呂でのリラックスや疲労回復に欠かせない入浴剤。ドラッグストアなどにはさまざまな製品が並んでいますが、それぞれの「違いをパッとひと目で比較する」ために、ポジショニングマップを使った分析を行いました。
前回(第2回)はアンケート調査結果のダイジェストを紹介しました。今回(第3回)は、調査結果をもとに作成したポジショニングマップの一例を紹介しながら、主にマップの表示項目について解説していきたいと思います。
入浴剤のポジショニング分析:記事一覧
第1回:分析概要
第2回:ユーザーが重視している機能・効果
第3回:ポジショニングマップ例(1)と表示項目の説明 ☜今回
第4回:入浴剤のポジショングループについて
第5回:ポジショニングマップの例(2)と考察
※ 出典:「ポジショニング分析レポート<入浴剤編>」調査実施:2022年11月、全65ページ
1. 入浴剤のポジショニングマップ例(1)
分析対象の入浴剤7種類を、製品を使用した際に感じられる“メリット・効果感”の違いで比較して並べてみました。なお、各製品を示す円には、上から順にA〜Gを割り当てています。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<入浴剤編> | 調査実施:2022年11月、全65ページ
2. ポジショニングマップの表示項目
それでは、マップに表示されている項目を見ていきましょう。
(1) 軸について
ポジショニングマップは縦軸と横軸の二つの組み合わせで表現されます。このマップでは縦軸・横軸それぞれに、製品を使用した際に感じられる“メリット・効果感”に関する項目を置きました。いずれもアンケート調査で多くのユーザーから挙げられた要素です。(詳細は第2回の記事をご参照ください)。
【縦軸】
上側が「使いやすい」、下側が「楽しめる」です。
使いやすい・・・「量の調節ができる」「手軽・簡単」「飛び散らない」など
楽しめる・・・「(香りなどを)楽しめる」「(色々な種類を)楽しめる」など
上に行くほど「使いやすい」と感じるユーザーの割合が多く、下に行くほど「楽しめる」と感じるユーザーの割合が多くなります。
【横軸】
左側が「リラックスできる」、右側が「温まる」です。
リラックスできる・・・「リラックス効果がある」「ゆったりできる」など
温まる・・・「体が温まる」「湯冷めしにくい」など
左に行くほど「リラックスできる」と評価が多く、右に行くほど「温まる」という評価が多くなります。
(2) 目盛線について
ポジショニングマップには縦横に十字線が走っています。十字線はグレーとオレンジの2種類あり、この うちグレーの線には目盛が付いています。
グレーの十字線は縦軸・横軸を表すと同時に座標軸にもなっています。
例えば、「製品B(濃紺の円)」の位置は縦軸が0.13、横軸が-0.14のところにある、というように数値で位置付けを説明することもできます(数値の割り出し方は、説明が長くなってしまうので、ここでは割愛いたします)。
オレンジの十字線は補助線です。これは縦軸・横軸それぞれにおける7製品全体の平均値を示していま す。
例えば、横のオレンジ線は目盛「0.01」のところで左右に走っていますが、ここが縦軸の「使いやすい」と「楽しめる」の割合の平均値です。
平均値が「0」より大きいと、縦軸の「やや上の項目寄り」という意味になります。全体平均「0.01」は、「使いやすい」と「楽しめる」のバランスが、ほぼ同じぐらい〜わずかに「使いやすい」側が高い状態であると言えます。
縦のオレンジ線についても同様で、こちらは横軸の評価割合の平均値を示しています。
※目盛線(グレーとオレンジの十字線)は独自に使用しているもので、一般的な手法ではありません。
(3) 円のサイズ
円のサイズは「シェア」を表します。売上個数や売上金額のシェアではなく、利用者数の割合を示します。円のサイズが大きいほど利用者数が多く、サイズが小さいと利用者数が少なくなります。
上のマップ例で円サイズが最も大きい(=利用者数が多い)のは「製品G(黄緑色の円)」です。逆に円サ イズが 最も小さい(=利用者数が少ない)のは「製品B(濃紺の円)」となっています。
※詳しくはレポート本誌(有料)をご参照ください。ポジショニング分析レポート<入浴剤編> | 調査実施:2022年11月、全65ページ
まとめ
以上がポジショニングマップの一例とマップの見方についての説明です。縦軸・横軸で区切られたポジショニングマップがおおまかに何を示しているのかが、なんとなくでもイメージできましたでしょうか?
説明が少しややこしい部分があったかもしれませんが、ポジショニングマップは感覚的に把握すること が重要なのであまり気にせず、次回以降で具体的な製品の位置付けを見ていくことで、理解が進むと思 いますので、ぜひ読み進めてみてください。
第3回は以上になります。次回の第4回はこの続きで、上記のポジショニングマップ例から見て取れる、入浴剤7製品の位置付けについて考察してみたいと思います。
いかがでしたでしょうか。レポート本誌では、上記以外にもさまざまな視点で作成したポジショニングマップを紹介しています。また、各製品の特長まとめや調査結果のデータなども掲載していますので、より詳細を知りたい方は、ぜひレポートを購入いただき、ご活用ください。
※外部サイト(販売用ページ)が開きます
記事内容を引用する場合は、出典(“日本ポジショニング・マップ研究所調べ”やURLなど)を記載いただきますようお願い申し上げます。